阪神が86年ぶり2度目の“連覇”を目指す。1937年(昭12)秋と翌年38年(昭13)春のリーグに、阪神は連続して優勝を果たした。現状これが、最初で最後の2シーズン続けてのVである。昨年18年ぶりのアレを成し遂げた西の老舗球団に、久々にチャンスが訪れた。

当時はまだ1リーグ時代で、現在の大学野球のように年に春秋2度のリーグ戦を開催していた。球団名は「タイガース」。37年秋に39勝9敗1分け、勝率8割1分3厘で制したタイガースは、翌年38年春にさらに進化を見せる。35試合を戦い、29勝6敗、勝率なんと8割2分9厘。これは現在に至るも、同一年のチーム別プロ野球最高勝率だ。

現在の143試合に当てはめて考えよう。昨季の12球団平均引き分け試合は3・2試合。引き分けが年間3試合あると仮定すると、117勝が必要になる。災害や伝染病などの緊急事態で試合数の大幅削減がない限り、この年のタイガースの勝率は、歴代1位として永遠に残ることだろう。

タイガースは40年に阪神と名を改めた。44、47年の2度を加え、1リーグ時代(49年まで)に4度の優勝を果たした。このうち、初の連覇の37年秋、38年春、さらに44年の2位につけたのは、永遠のライバル巨人である。以来、この「1位阪神、2位巨人」の並びはない。セ初の連覇を目指す阪神に対し、阿部慎之助監督率いる新生巨人はどこまで立ちはだかるのか。80年ぶりにこの並びが復活すれば、昨年に負けない盛り上がりが期待できそうだ。【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)