交流戦最終戦を終えた22日楽天戦後、大盛穂外野手(28)は悔しそうな表情で球場を後にした。

連続安打が10試合で途切れたことだけが理由ではない。今季初めて1試合2三振を喫したからだった。

交流戦で一気に存在感を示した。途中出場した8日西武戦で今季1号を放つと、同じく途中出場した11日ロッテ戦では適時打を記録した。12日ロッテ戦で今季初先発し、翌13日の日本ハム戦では1番で起用された。15日の日本ハム戦から交流戦最終戦まで実績ある秋山や野間、若い中村奨を押しのけて、「1番中堅」での先発出場を続ける。

昨季までは代走や守備固めの“切り札的存在”だった。途中出場から打席を与えられなかったのは、三振の多さが一因だった。


三振率をみると、1軍デビューした20年から「33・8%」「46・3%」「22・4%」「31・0%」。昨季も「28・6%」だった。昨年の秋季練習では藤井ヘッドコーチから直接、指摘された。

だからこそ、今季は2年連続で学んだソフトバンク近藤流を貫く覚悟を決めた。昨季はつなぎの役割を意識するあまり、開幕前に打撃スタイルを戻した。高みを目指して攻めるのではなく、守りに入った自分自身への悔恨もあった。3年で新打法への理解度が高まり、完成度も上がったことで、対応力の向上につながっている。

「強く振らないことで止まれるようになった。これまではしゃかりきに振っていたのが、無理なく止められるようになったことが大きい」

今季の三振率は、「20・4%」まで向上した。21日までは「18・4%」の高水準だった。スイングを小さく、コンタクト重視の打撃にして三振を減らしたわけではない。安打数や打点、得点とすべての打撃成績で21年以降、最多の数字をたたき出し、シーズン本塁打数は21日までの10試合で自己最多を更新した。ここまでの長打率5割6分は過去のシーズン最多20年3割1分8厘を大きく上回る。

強振を基本線としながら、早いカウントからノーステップ打法に切り替えるなど工夫もみられる。毎試合マルチ安打を打ったり、2桁本塁打を打ったりすることを求められているわけではない。三振を減らして事を起こす打撃、どんな形でも塁に出る打撃が求められている。

22日楽天戦では、3回無死一塁に二ゴロを打って投手森と入れ替わる形で一塁に残った。プレーボール直後の1回の守備では楽天浅村の中堅前方の当たりをダイビングキャッチした。無安打2三振も、示した存在感は決して小さくなかった。

27日からはリーグ戦が再開する。広島の外野争いはまだまだ続く。これまではレギュラー争いの後方にいたが、初めて先頭集団の1人としてプレーしている。今こそ守るのではなく、攻めの姿勢が求められる。【広島担当 前原淳】

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