今春のセンバツは、11日に開催中止が決まりました。「野球の国から」では、出場を予定していた32校から今秋ドラフトの注目候補を連載で取り上げます。「幻のセンバツ」で輝いていたはずの逸材たち。つらい経験を乗り越えての奮起に期待です。

ドラフトファイル:来田涼斗
ドラフトファイル:来田涼斗

明石商・来田涼斗外野手(2年)を「本能で野球をやっている」と話す野球関係者は多い。狭間善徳監督(55)もその1人。「スイング、スピードは明徳でも見たことなかったな」。明徳義塾中(高知)の監督を93年から13年間務め、4度の全国優勝経験がある指揮官も非凡な才能に中学時代から一目置いていた。179センチ、85キロが生み出す鋭いスイングと打球スピード。さらに、50メートル5秒9の俊足で、プレーの随所にセンスが光る1番打者だ。

昨春センバツ準々決勝の智弁和歌山戦で先頭打者弾&サヨナラ弾。史上初の離れ業は来田の代名詞で、20年ドラフト候補の座を揺るぎないものにした。高校通算29本塁打。40本を目標とするが、チーム打撃を重要視。「塁に出ることが大事。打率にこだわる分、出塁率も上がってくると思う」。

センバツ中止で、1年夏から続けてきた4季連続甲子園は夢と消えた。最後の夏へ気持ちと目標を切り替え鍛え直す。【望月千草】