「日本一に導ける投手に」。智弁和歌山の最速148キロ右腕、小林樹斗投手(2年)が持つ、エースとしての誓いだ。

昨夏の甲子園3回戦で星稜(石川)と対戦。現ヤクルトの奥川恭伸投手(18)と投げ合ったが、3回2/3を1失点で降板。反対に奥川は延長14回を投げきり、チームを勝利に結びつけた。「甲子園とか大舞台で自分が投げて勝った試合が(去年は)1つもない。ああいうピッチングができるのが理想です」。奥川と投げ合い、勝てる投手として必要な球の精度、制球力のレベルを体感。昨秋の国体で奥川と対面し、変化球の握り方や体の使い方の助言を直接受け、練習に生かしてきた。

一冬を越えて球には力強さが増し、今秋ドラフト候補としてプロのスカウトからの評価も上昇中。「チームが日本一になればそれでいいと思うので、その中で自分がどれだけプラスになれるかが大切」。心技を磨き、夏の聖地に戻る。【望月千草】