今回ジャパンを選出したが、私の基準はすぐに試合が始まるという前提で選んだ。菅野、坂本、菊池涼、鈴木誠はコンディションが万全ならば当然選ばれるところだが、今回は外した。また、田中将についても、現状のピッチングではまだ万全とは程遠いため、メンバー外とした。

里崎氏が選ぶ侍ジャパンスタメン
里崎氏が選ぶ侍ジャパンスタメン

24選手の内訳は投手10、野手14人。投手は5人を先発に、4人をリリーフに、そして1人をオールマイティー枠として考えた。現状ではオリックスの山本と宮城、涌井、森下、高橋の5枚が先発候補。リリーフは平良、唐川、岩崎と守護神に栗林の4人とした。残る1人はオールマイティー枠の青柳。彼はサイドスローで投げ方に特徴があり、先発5枚にアクシデントがあった時は先発を、試合状況に応じてはロングリリーフも任せられる強みがある。

試合形式は全6チームを3チームずつの2グループに分け、総当たりで順位を決め、そこから変則的なノックアウト方式。グループ1位同士の試合に勝てば中1日で準決勝。準決勝も勝てば中2日で決勝というスケジュール。グループ1位通過と、2位以下では日程面と試合数が異なってくるため、先発投手の起用法もかなり変わってくる。現状ではもっとも安定感のある山本をエース格として、ポイントの試合を任せるイメージだ。

次に野手は表のような打順とした。2番柳田から7番山田までは1発長打の重量打線。足のある大島が出塁すると、下位打線まで相手バッテリーは非常に神経を使うことになる。8番捕手に梅野を起用しているが、先発投手との兼ね合いでは甲斐との併用もありえる。

里崎氏が選ぶ五輪代表
里崎氏が選ぶ五輪代表

私の北京五輪での経験から重要視したのがベンチ枠3人。宮本さん、荒木、森野が控えで非常に厚い布陣だった。宮本さんは内野はどこでも守れ、荒木、森野も代打、代走を含め幅広くカバーできた。それを念頭に、内外野を守れる周東はショートができるのがポイント。外野、サード、緊急時には捕手もできる栗原、外野と代走での安定感の荻野と、バランスはいい。捕手は3人体制が望ましく、梅野と甲斐、そして一塁もできる大城とした。

国際大会では先発の力量が非常に重要になる。その点で私が選んだ5人は右3人、左2人でバランスも良く、自信をもって大一番を任せられる。打線は現状でもっとも得点が臨めるメンバーを並べた。(日刊スポーツ評論家)