10回表ヤクルト、一挙12失点した広島(2019年4月10日撮影)
10回表ヤクルト、一挙12失点した広島(2019年4月10日撮影)

広島が10日ヤクルト戦の延長10回に12失点した。延長イニングの失点では、96年8月9日横浜が阪神戦の12回に記録した11失点を上回り最多となった。広島は09年6月11日ロッテ戦の6回に15失点のプロ野球ワーストを記録しており、2つの1イニング失点記録をつくってしまった。

延長10回の広島は無死一塁から荒木の一ゴロを松山、1死満塁から山田哲の二ゴロを菊池涼、1死二、三塁から大引の二ゴロを菊池涼がエラー。5失点の中崎は自責点0、7失点の中田は自責点3だが、中田の3点は個人の自責点になってもチームとしては自責点に数えないチーム非自責点。この回の広島は「自責点0」で12失点した。

10回表ヤクルト1死満塁、中崎は山田哲の二ゴロ失策で勝ち越しを許し膝をつく(2019年4月10日撮影)
10回表ヤクルト1死満塁、中崎は山田哲の二ゴロ失策で勝ち越しを許し膝をつく(2019年4月10日撮影)

72年6月21日にヤクルトが大洋戦の2回に自責点0で11失点している。2死無走者からボイヤーの右飛をロペスがまさかの落球(記録は右失)。そこから右安→遊安→四球→右安→右安→中安→右2→左本→四球→左本と、2四球を挟んで8連打され11失点したが、チームの自責点は0だった。今回の広島は72年ヤクルトを上回る12失点。1イニング12失点以上はプロ野球18度目だが、今回のように自責点0で1イニングに12失点以上はプロ野球史上初の珍事だった。

今季の広島は失策が目立つ。22日現在、20試合を消化してリーグ最多の22失策。失策数が試合数より多い。捕逸や失策が絡んで自責点にならない失点は中日が1点、ヤクルトは3点しかないのに、広島はリーグ最多の20点あり、ミス絡みの失点を記録した試合は1勝6敗だ。

過去3年の失策数と自責点にならない失点数と出すと、16年が67失策で39点、17年が71失策で54点、18年が83失策で64点。年々増えているが、今季は両方とも100を超えてしまう勢いだ。チーム打率がリーグ最低の2割2分4厘と、丸の抜けた打線が苦しんでいる広島だが、ミスの多さもつまずきの一因になっている。

10回表ヤクルト1死満塁、山田哲人の打球を菊池涼介がファンブルし、本塁へ送球するも勝ち越しを許す(2019年4月10日撮影)
10回表ヤクルト1死満塁、山田哲人の打球を菊池涼介がファンブルし、本塁へ送球するも勝ち越しを許す(2019年4月10日撮影)