平成最後の年に珍しい「対決」が起きた。4月4日の巨人-阪神戦。先発は巨人がドラフト1位左腕の高橋優貴で、阪神が3年目右腕の浜地真澄と、ともに初登板初先発同士。36年から始まる「伝統の一戦」と呼ばれる巨人-阪神戦は同試合が1946試合目だったが、両軍先発が初登板同士だったのは史上初だった。

初登板(外国人を除く)同士の先発対決は、調べてみると今回が8度目。高橋-浜地の前は、89年6月2日西武-ダイエー戦の渡辺智男(西武)と松本卓也(ダイエー)で30年前。偶然だが、平成最初の年と最後の年にこのケースが起こっていたことになる。

その前はまたも30年以上さかのぼり、57年3月31日南海-近鉄戦の東実(南海)と吹田俊明(近鉄)。さらにその前は50年3月11日国鉄-広島戦の高橋輝(国鉄)と黒川浩(広島)。この年の国鉄、広島は発足1年目同士。この試合も開幕2戦目だけに納得の顔合わせだが、セ・リーグは他にも大洋と西日本、パ・リーグは毎日、西鉄、近鉄が1年目。初登板の投手が多かった同年で1度しかなかったのは意外だった。

36~49年の1リーグ時代を見ると、公式戦の開幕日でもある36年4月29日に行われた3カードが(当然だが)すべて初登板同士の先発対決となったが、この日を含めて4度だけ。当時は選手の人数が今よりもはるかに少なく、連投が当たり前という背景もあったので、今よりも実現しにくい顔合わせだったのだろう(ちなみに外国人投手同士の来日初登板初先発の投げ合いは、06年3月29日のソフトバンク・カラスコ-西武・グラマンの1例だけ)。

プロ野球が始まって80年以上がたち、6万以上の試合が行われた中、今回のようなケースは約0・01%ほどしかない非常に珍しい巡り合わせだった。今度見られるのはまた30年以上も後か、はたまた今季中に再び実現することがあるのか-。いずれにしても、それは「0・01%」でしか起こらない珍しい対決となる。