今季の阪神は積極的に走っている。30日現在、両リーグ最多の89盗塁をマーク。すでに昨年の80盗塁を上回り、ルーキー中野がリーグトップの22盗塁、近本が同2位の20盗塁を記録するなど、14人が盗塁を決めている。

今季の阪神の個人別盗塁成績
今季の阪神の個人別盗塁成績

阪神は本塁打を打った試合に41勝22敗1分け、勝率6割5分1厘を記録しているが、盗塁を決めた試合は36勝18敗2分け、勝率6割6分7厘。本塁打が出た試合よりも盗塁を決めた試合の方が勝率は高い。盗塁した走者が生還したケースは37度あったが、その試合は22勝5敗2分け、勝率8割1分5厘。盗塁が白星につながっている。

今季の盗塁成功
今季の盗塁成功

阪神は盗塁数が多いだけでなく、成功率が高い。これまで盗塁死は22度しかなく、チームの盗塁成功率が8割2厘。中野は盗塁死が6月12日楽天戦だけで、成功率9割5分7厘の驚異的な数字を残している。中野の活躍は大きいが、代走陣の働きも見逃せない。植田は代走で盗塁を7度試みてすべて成功。熊谷も8度のうち7度成功させ、代走の成績は24盗塁、3盗塁死で成功率が8割8分9厘。足が速いから代走に起用されるわけだが、相手に警戒されている中でこの成功率は評価したい。

2リーグ制後のチーム盗塁成功上位
2リーグ制後のチーム盗塁成功上位

2リーグ制後のチーム盗塁成功率を調べると、8割以上は11年ロッテ8割8厘、19年巨人8割6厘、18年日本ハム8割3厘の3チームしかない。7割9分以上を見ても過去6チームで、今季の阪神の成功率がいかに高いかが分かる。盗塁数の多い阪神は、このペースならばシーズン100盗塁突破は間違いない。過去に100盗塁以上で成功率が7割9分以上は11年ロッテと69年阪急の2チームだけ。成功率8割6厘の19年巨人は83盗塁だった。阪神にはセ・リーグ初となる成功率8割の100盗塁に加え、2リーグ制後の盗塁成功率の新記録にも挑戦してもらいたい。【記録室】