ソフトバンクが4連勝で3年連続の日本一を決めた。セ・リーグ覇者の巨人は7年ぶりの日本一を目指したが4連敗に終わった。野球評論家の西本聖氏に今季の日本シリーズをふり返ってもらった。

-ソフトバンクが4連勝。巨人は意地を見せられなかった

西本氏 ソフトバンクとの力の差を素直に認めないといけない。ただ巨人はペナント、CSを制した勢いがあった。それだけにまさか4連敗するとは思わなかった。屈辱的な負け。巨人ファンはがっかりしただろうし、泣いていると思う。

-第4戦をふり返って

西本氏 巨人先発の菅野は思った以上に良く投げたと思う。ゲームはつくった。しかし、最後に勝敗を分けたのはやはりミス。巨人はミスが多過ぎた。守備、走塁。ミスをしている間に日本シリーズが終わってしまった感じがする。

-打線もソフトバンク投手陣に抑え込まれた印象が強い

西本氏 勝負というのは考えた方が負け、考えさせた方が勝ちだと思う。第1戦でソフトバンクバッテリー(千賀-甲斐)がインコースを意識付けさせ、巨人の各打者に考えさせた。シリーズを通してこれが生きたと思う。第4戦の9回も森が内角に強い坂本勇に対しインコースを攻めた。シリーズを通しての徹底した攻めは見事だった。

-巨人はこの敗北を来季以降に生かさないといけない

西本氏 打者はそこそこそろっている。やはり整備、補強ポイントは投手になる。まずは7回くらいまで投げられる先発投手をしっかり育てたい。そうじゃないとリリーフに負担がかかり過ぎる。球界全体で先発が5~6回で降りるという分業制が定着しつつあるがそこは見直してほしい。シーズン通して安定した戦いをするにはやはり先発投手の整備。若い投手も多いのでしっかり育てて欲しい。今回の4連敗をしっかりと分析し、日本一になれるようなチームを原監督に作ってもらいたい。