8月19日付の日刊スポーツを広げた。馴染の喫茶店でモーニングサービスを頼み、備え付けのスポーツ新聞を4紙。最後は日刊スポーツで締めるルーティン。そこで2面下にあったチーム成績表を見直した。
そこにはかなり厳しい数字が並ぶ。上が遠のく3位だが、その下を見て驚いた。4位のDeNAとのゲーム差は3・5。もっと離していると思っていたら、上よりも下の方が近かった。阪神の貯金は3で、DeNAの借金は4。決してAクラスの安全圏といえない状況になっていた。
半年前、監督の岡田彰布から今シーズンの展望を聞いた。春のキャンプ中、言葉は自信にあふれていた。「連覇」の可能性に触れ、普通通りに戦えれば…と拳を握っていた。
ただ、気になることも付け加えていた。それはライバル球団の動向だった。最大の敵は巨人とした。「もうBクラスは許されない。球団あげて必死で向かってくるやろな」と警戒と強めた。さらに広島だ。監督の新井の下、2023年シーズンは2位に入った。「かつて広島が3連覇した時、その前に苦労してAクラスになった。あれがチームの自信になり、そこから3連覇よ。今年はあの時と状況が似ているからな」とこちらも要マークとした。
DeNAに関しては投手力次第と見ていた。打力は強烈で、ここに投手力が安定すれば。「そら怖いチームよ」とつぶやいていた。 あれから6カ月か…。岡田の読み通りの展開になった。広島と巨人が阪神を離しにかかり、DeNAが阪神を追いかけてくる。ここまでは読み通りだったが、それが外れたのは自チームについて。まったくもって思惑外れのことに終始してきた。
「昨年の日本一はすべてにおいて、うまくいった結果。今年はそうは簡単にいかない覚悟はできているけど、それぞれの選手にはすべて伸びしろがある。それを考えれば、個人の数字は必ず伸びるはず」。だからタイガースは補強に走らなかった。巨人が外国人を含めて補強に活路を見いだしたのとは対照的に、阪神はゲラ、漆原の加入だけで終えた。
広島も大型補強はしなかったけど、若い選手の驚異的な底上げでチーム力を強化した。阪神とは真逆の展開になり、現状の成績に反映されることになった。
これを書いている段階で広島とは5ゲーム差である。残り32試合を考えれば、相当厳しいと言わざるを得ない。スポーツ新聞には「崖っぷち」とか「ギリギリの状況」といったネガティブなフレーズが見出しになって報じられるが、だからこそ、ここからチャンピオンとしての底力を示すしかない。
「オレひとりで怒っているみたいや」と悔しさをにじます岡田にはとっておきのフレーズがある。
2005年に発した「むちゃくちゃやったれ! 責任はオレが取る」だ。ここから先、きれいに勝つのではなく、いわば開き直りの戦いで進めていくのでは…。このまま沈んでいくのは寂しすぎる。【内匠宏幸】(敬称略)(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「岡田の野球よ」)




