日本で応援していたが、彼の奮闘がうれしかった。

 1日にカナダ・サンダーベイで開幕した第28回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)。2年生でメンバー入りしている大阪桐蔭の藤原恭大外野手が、世界の舞台でも勝負強さを発揮してくれた。

 メキシコとの初戦に1番右翼で先発すると、2回1死満塁の好機で走者一掃の先制適時二塁打。大舞台でこそ輝く強さは、カナダでも変わらなかった。

 今夏の大阪大会決勝。4-4の同点で迎えた6回に、右中間へ勝ち越しの決勝ソロ本塁打を放った。全国制覇を果たした今春のセンバツ決勝でも先頭打者アーチを含む2本塁打。プレッシャーのかかる場面でも物おじする様子は全くない。中学時には枚方ボーイズで、2年時、3年時と全国大会優勝を経験。そのうち3年春の全国大会では投手としてチームをけん引しながら、打撃でも16打数13安打と大暴れしていた。

 そんな藤原が、3試合通して13打数2安打と苦しんだ今夏の甲子園。特に5打数無安打だった初戦・米子松蔭戦の後は、打撃投手を務めるコーチを相手に約200球、黙々と打ち込んでいた。

 藤原から「しんどい」という言葉が出たことはないという。「負けん気が強くて、目立ちたい気持ちがあります」と藤原自身も、周りも認める『負けず嫌い』。この気持ちの強さも勝負強さの理由の1つだと思う。【磯綾乃】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)