令和元年5月18日は、大正から続く東京6大学野球の歴史の1ページを彩る日になるかもしれない。2つの記録がかかっている。1つは、継続の末。もう1つは、突如として。対照的に映る。

慶大・柳町達
慶大・柳町達

“継続”は、慶大・柳町達三塁手(4年=慶応)の通算100安打だ。ここまで通算99本。明大1回戦で、史上33人目の大台が期待される。特筆すべきは、1年春の開幕から全試合で先発出場を続けていることだろう。甲子園出場はなく、鳴り物入りではなかった。抜てきには、巡り合わせと指揮官の眼力があった。

16年春の開幕前、外野のレギュラーが負傷。枠が空いた。大久保秀昭監督(49)が目を付けたのが、柳町だった。「練習からミート率が高いし、オープン戦で初対戦の投手にも最初から振っていけた。守りは、捕ってくれればよかった」と、三塁手の柳町を外野で使った。法大との開幕戦に7番中堅で出ると、2ランを含む2安打3打点。もし、先輩のケガがなければ…。もし、監督がコンバートをちゅうちょしていたら…。もし、開幕戦で結果を残せなければ…。いろんな「もし」をはねのけ、100安打への道を歩み始めた。

法大・安本竜二
法大・安本竜二

“突如”は、法大・安本竜二三塁手(4年=静岡)。現在、リーグタイ記録の5試合連続本塁打中だ。慶大・岩見雅紀を抜く新記録が、早大1回戦にかかる。特筆事項は、昨秋まで通算11試合のみで本塁打は0だったこと。甲子園は3季連続出場し、3年春は8強。当然「1年生から活躍する」と志したが、4年目でやっとレギュラーをつかんだ。

柳町と対照的に見える。が、そうではない。「両親に恩返ししたい」と腐らず野球を続けた。だから、柳町と同じ。継続の末の記録なのだ。【古川真弥】

◆柳町VS森下 柳町が対する明大は、リーグ屈指の右腕・森下暢仁投手(4年=大分商)の先発が予想される。両者は2年春から対戦。ここまで通算5試合、14打数4安打、打率2割8分6厘となっている。