はっきり言って、ここは辛抱のしどころだろう。阪神は下位に低迷する中日に連敗を喫した。しかも打線が3安打のみで今季11度目の0封負けである。守備では見せ場もあったけれど、とにかく打てない。これで今季3度目の3連敗。勝利を願って甲子園に足を運ぶ虎党は常に満員状態だがフラストレーションはたまる一方である。

「打てまへんなあ…。3本ではなあ…」。虎番キャップの取材の輪が解け、通路を歩く指揮官・岡田彰布は誰に語るわけでもない独り言である。そんな岡田が囲み取材で少しだけ機嫌を損ねたのは佐藤輝明に関する質問だった。

虎番記者の記事にもあるように「(打てないから)どうすんのよ?」。岡田が言うように佐藤輝を外す打線は考えにくいし、外して打てるものでもない。「佐藤輝よりオレだ」という存在も正直、いないだろう。ここも辛抱なのである。

リーグ戦再開時に岡田が言っていた言葉を思い出す。「球宴まで21試合。貯金を増やすとかでなく、ここをしのいで…」。そんな話だった。数字は言わなかったが感覚的には「5割」ということだろう。それなら貯金は減らない。

しかし、この日の敗戦で7勝11敗1分の「借金4」となった。きょう17日の中日戦に勝っても、もう5割は達成できない。首位ターンが決まっているとはいえ、ジリジリ貯金が目減りしているのは事実である。

それでもまだ貯金は「10」と2桁だ。近本光司が離脱してからこれで4勝6敗、湯浅京己が抜けてからは8勝13敗1分けと苦しい状況は続くけれど、なんとかギリギリで粘っていると言えば、そうかもしれない。

この日、岡田は2つの決断をした。ミエセスをベンチ外にし、登録できた加治屋蓮をそうしなかった。簡単に言って、理由はいずれも休養のためだ。3連敗を喫した日にそう言えばむなしく響くけれど「勝負はまだ先」なのだ。そのときに全力で戦うための策と言えなくもない。

「ここは辛抱ですか?」。そう聞いてみたが岡田は「ええ? ふふ…」と笑うだけだった。そんなこと言うまでもない、ということだろう。どんなチームにも苦しいときは訪れる。岡田自身が言ったように、そこをどうしのぐか。用兵も采配も含めて、だ。前半戦最終戦の17日。勝てば2桁貯金をキープし、後半戦に臨めるが…。(敬称略)