特に根拠はないけれど、連敗スタートとなった現状の打破は森下翔太に期待したい。そんな気持ちである。この2試合を見ていて体から元気があふれているのは間違いない。これが若さだ! という感じだ。開幕戦で梶谷隆幸の好捕によってヒーローになるチャンスを奪われたが気にせずバットを振りまくっている。そこで初勝利には森下のバットに期待したい。

とにかく阪神にとって流れのよくない2試合だ。虎党なら先刻承知だろう。4回、無死一、三塁の場面。野球では、もっとも得点しやすいとされる状況である。だが6番ノイジーは見逃し三振。続く7番・坂本誠志郎はまさかの“バント併殺”に終わった。

転がすつもりの打球がハーフ・ライナーになり、これを巨人の一塁・岡本和真が身を投げ出して好捕。飛び出していた三走・大山悠輔が憤死してしまう。

指揮官・岡田彰布は「あれはセーフティー(スクイズ)」と説明。坂本は「ボクの失敗なんで」と話した。そもそもボールを転がせなかったのがよくない…と言ってしまえばそれまでだが、飛び出した大山にも判断ミスの部分はあったのかもしれず、いずれにせよ、まさかの展開になった。

そして6回、好投していた大竹耕太郎がこの回先頭の梶谷に四球を与えると、その岡本に2ランを被弾。好守で得点機を阻止された選手に被弾するという、前日やられたのとまったく同じパターンでの敗戦。巨人にとって最高、阪神にとって最悪の流れは続く。

これで開幕連敗。まだ2敗とはいえ、いかにも流れが悪い。しかも18イニングで無得点だ。オープン戦から続く「点が入りそうにない雰囲気」は続く。

「そうやなあ。3連敗はあかんよなあ。まあ点取らなあかんわな。お~ん。ホンマ。全然、おまえ、入らへんもんな。入りそうにないもんな」。3戦目へ、指揮官もそう言うしかない。

そんな虎党が一瞬、大きく沸いたのは7回か。2死一、三塁から近本光司が右翼に放った飛球は惜しくもスタンドに届かず、右翼手のグラブに収まった。

こういうときこそ、やはり一発だ。ジリジリした流れを変えるのは本塁打。すでに巨人は3発出た。ここは打ち返し、ムードを阪神に持ってきてほしい。せめて長打でも…。打つのは誰だ。そこで最初の話。ここは元気のいい森下にそれをお願いしたい。(敬称略)

巨人対阪神 3回表阪神2死、森下は右飛に倒れる(撮影・上田博志)
巨人対阪神 3回表阪神2死、森下は右飛に倒れる(撮影・上田博志)