面白過ぎる。そう言えば失礼だろうが、こんなことが本当にあるんかいなと思った。西武の新指揮官・西口文也。かつてエースとして無安打無得点、完全試合を「あと1人」で逃した経験が、実に3度もある伝説の投手だ。その西口が監督となって初めて本拠で迎えた試合で、この結果。そのあたりは西武担当の記事で読んでいただきたいところだが、とにかく漫画でもこんなことは書けない。
などと楽しんでばかりもいられない結果かも。虎党にとっては。西武が繰り出した5投手を前に9回1安打での0-1敗戦。近本光司、大山悠輔を休ませたメンバーだったが勝敗は関係ないオープン戦とはいえ、さみしい結果だろう。
安打が出ないよりもレギュラーを取りたい、固めたい、あるいは1軍に食い込みたいという若い選手がいいところを見せられなかったのが残念な気がする。
攻撃面で言えば3回の小幡竜平か。犠打でつくった1死二塁。プロに対して簡単に書くのは申し訳ないけれど、いわゆる引っ張れば三塁へ進められるところ。しかし右飛を打ち上げ、状況は変わらない。
守りでは失点した場面だろう。7回2死一、二塁から西武・長谷川信哉に三遊間を抜かれた。左翼に入っていた前川右京がこれを処理し、カットマンの高寺望夢に送った。これが少し浮いた感じで、さらに高寺から捕手への送球も一塁側にそれてしまった。7-5-2とビシッと決まったカットプレーなら刺せたように見えただけに、もったいないと思ったのである。
新指揮官・藤川球児がどういう考えを持っていようと、OP戦が進んでいけば実績組の調整に入るのが普通だ。若手が多く出るのはこの西武戦2試合と大リーグとの練習試合ぐらいではないか、と思う。出場、活躍するチャンスは徐々に少なくなってくる。
「1人ずつ、越えなければならないハードル、カベがあって。これを経験としてどんどん次に生かしていかなきゃいけないですからね」。若手に対して球児もそう話した。「対話型」の指揮官として言い方はソフトだが同じようなミスをしていてはいけないよ、ということだ。
そのあたり、左翼の定位置をほぼ決めて、この試合、唯一の安打を放った前川は送球について「低く強い送球をしないといけない」と反省。こういう点には期待したいと思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




