センバツ出場の八戸学院光星に強力な新戦力が出現した。公式戦初登板の2年生右腕、桜井一樹が八戸北を相手に7回を3安打無四球1失点。9番打者としては本塁打、三塁打、二塁打2と単打があればサイクルヒットの活躍。4打数4安打3打点で7回コールド勝ちに貢献した。

 背番号11の桜井が県大会初戦の主役に躍り出た。2回に右中間適時三塁打、3回に中越え適時二塁打を放った。5回にはレフト左にシングルかとみられたヒットを放ったが、好走塁で二塁打にした。7回に左翼席に高校通算8号の1発。結果的には好走塁でサイクルヒットを逃した。

 投げてはストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップを交え、制球よく相手打線を抑え込んだ。シーズン初めの地区大会2試合で登板しているが、公式戦は初登板。見事なデビューを飾った。「東北大会につながる大事な大会の1試合目。チームの足を引っ張らなくてよかった」と桜井は笑顔をみせた。

 小中学時代に投手経験はあるが、光星入学以後は外野手か内野手。昨年12月、室内練習場で近距離バッティングの打撃投手をしていたのを見た仲井宗基監督(44)に「投手をやってみないか」と声を掛けられた。野手陣も層の厚い光星。仲井監督は「桜井は打撃でいいものを持っているが、試合に出るチャンスが少なく、投手で起用してみようと思った」という。

 桜井はこの日の出来について「球が高めに浮いたのが反省点。打撃は9番で気楽に打てて、集中できた」という。光星はセンバツの後、主力にケガ人も出てメンバーが流動的。この日は4失策を犯すなど、守備に乱れも出た。仲井監督は「不安定さがそのまま試合に出た」と全体の採点は厳しかった。その中で桜井が活躍。仲井監督は「いいところで打ってくれた」と目を細めた。【北村宏平】

 ◆桜井一樹(さくらい・かずき)1998年(平10)7月29日、群馬県高崎市生まれ。西部小1年から西部インディアンス(軟式)で野球を始め、3年から投手。八幡中時代はボーイズリーグの高崎ボーイズで投手と野手を兼任し、全国大会でベスト16進出。家族は両親と姉2人。170センチ、73キロ。右投げ右打ち。血液型AB。