第97回全国高校野球選手権の山形大会(開幕7月10日)の組み合わせ抽選会が25日に行われた。

 ノーシードの山形中央が「トイレの神様」を味方に、2年連続3度目の甲子園を狙う。昨夏は全国2勝を挙げ16強に進出した。新チーム後は公式戦5戦2勝と苦しみ、春は地区予選敗退。高野宗主将(3年)は「心のどこかにおごりがあった」という。

 春敗戦後、先輩たちがやってきた月1回の学校全部のトイレ掃除、ごみ拾いをただやらされるのではなく、自主的に全員で取り組んだ。「見返りを求めないでやる。その中で『気付き』が生まれる。連覇ではなく、下からぶち当たっていく」。おごりを捨て去り、挑戦者の姿勢を取り戻した。その後、練習試合でリードを許している時でも、ベンチのムードが下がらないように主将自ら声を出してチームを盛り上げるようになった。最後の夏に臨む高野主将は「トイレの神様はいます。苦しい場面で手助けしてくれると思う」。この日も抽選会のゴミを拾って会場を後にした。【高橋洋平】