【2015白球メモリー:登米総合産・早坂頌太捕手(しょうた、3年)】

 大きな声でチームを引っ張ってきた主将は涙がこぼれた。「負けて悔しいですね」。新校名で迎えた初めての夏は2時間7分。安打で出塁して二塁進塁後「ボールを上からたたきつけろ」と、バットを振るジェスチャーで打者にアドバイスを送るほど勝利を求めた。

 昨秋は米谷工と米山の連合の、今年4月からは上沼、米山、米谷工と登米の商業科が統合して開校した登米総合産の主将を任された。「よくなってきたところで、1年生が入ってきて難しくなった」。まとまったと思った途端、8人の新入生が入部してきた。春の東部地区大会は2戦2敗。それでも腐らず、練習後に積極的に声をかけた。少しでもチームの雰囲気を良くしようとした。

 4番打者として3安打1打点。主将、主砲の貫禄を示した。米谷工時代から3年間、夏は1度も勝てなかった。「1勝できなかったので、そこにこだわってやってほしい」。登米総合産の新しい歴史の1ページを、後輩たちに託した。【久野朗】