釜石が昨秋の東北大会に出場した宮古商に競り勝った。

 昨秋8強の意地だ。釜石が5回に勝ち越した1点を守り切って、実力校の宮古商を撃破。佐々木偉彦監督(31)が言った。「競ったら必ず勝つというのが子どもたちに浸透していて、その通りになった」。

 4月からチームを率いる佐々木監督は、放課後のトレーニングを「練習という言葉を使わず、試合と言い続けてきた」と明かした。通常の練習で怠りがちな内外野のカバリング、走者は次の塁を狙うリードを取るなど、選手は常に緊張感を保った。それが試合でも集中力につながった。5回の内野安打、犠打、1番岩間大(2年)の中前適時打はすべて初球。わずか3球で決勝点を奪った。

 春は地区大会で敗退し、県大会出場を逃した。完投したエース右腕佐々木瑞貴(3年)は「初心に戻れた」と言う。秋田高など格上の甲子園経験校との練習試合では、競った展開を何度も経験。その積み重ねが春の屈辱を晴らし、夏の1勝につながった。