法政が7回コールド負けした。ヤクルト真中満監督(44)の長男、丈(たける)外野手(3年)は、今大会初めてスタンドで見守った父の前で敗れた。

 入学後初の背番号「20」でベンチ入りし、一塁コーチや伝令として2勝に貢献した。公式戦では最後まで出番がなかったが「いい仕事を与えてもらって、燃え尽きることができた」と涙を流した。

 昨春に1度は退部も考えたが、思いとどまってマネジャーに転向。昨秋の都大後に選手に復帰し、最後の夏にメンバー入りを果たした。この日で、入部した同期21人全員がそろって引退。

 「野球部をやめなくてよかった。真中の息子なのに、僕はあまり上手じゃない。だけど、父の名に恥じないように全力でやったつもりです」と振り返った。

 ユニホームを着てグラウンドに立つ息子の雄姿を見届けた父は「3年間、毎日早起きして練習を頑張った。試合に出られないのに、最後までみんなのためにやり遂げたのは立派」とねぎらった。