「ミキティー!」の絶叫が届いたのか。劇的サヨナラ劇で、東京実(東東京)が2年ぶりの8強進出を決めた。大一番を迎えた三塁側スタンドには、同校の野球部に在籍していたお笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春(39)が現れた。

 先輩に見守られたナインが、延長10回裏に勝負を決める。1死三塁から、3番鈴木柊馬捕手(2年)が右犠飛を放った。「強い打球を打とうと思って、フルスイングしました」と興奮した。毎日夜は白米3~4合を食べて筋力をアップ。「納豆が一番ご飯が進む」と、毎食3パックをペロリと平らげる。入学時67キロだった体重は10キロ増量。筋肉芸で売る先輩のように、ビルドアップを続けてきた。

 今もグラウンド脇の倉庫には、庄司のユニホーム姿の写真が残っているという。鈴木は「(庄司の)出身校が東実ってあまり知られてなくて、周りに言っても『ふーん』で終わってしまうんですよ」と笑った。リスペクト感はいまいち伝わらないが、「スタンドのやつは、生『ミキティー!』が聞けたらしいです」と、ちょっとだけうらやましそうだった。

 23日の準々決勝は篠崎と対戦する。スケジュール次第では、再び現れるのか。いずれにしても、勝利の「ミキティー!」を響かせたい。【前田祐輔】