今秋ドラフト1位候補の県岐阜商・高橋純平投手(3年)の夏が終わった。準決勝でノーシードの進学校・斐太(ひだ)を相手に先制を許し、6回に勝ち越しを許して1点差負け。登板機会なくベンチから“番狂わせ”を見つめた右腕は「個人としては情けない。チームとしては得たものが大きい。いい夏だった」と振り返った。

 7月上旬の練習で左太もも裏肉離れを発症。21日の準々決勝ではリリーフで今夏初登板を果たしたが、中2日で迎えたこの日は、試合中のブルペン投球は1度だけ。小川信和監督(43)は「今日はどんな流れでも出すつもりはなかった。彼は悔しい思いをしたと思います」と苦渋の決断だったことを明かした。

 ネット裏にはヤクルト、日本ハム、阪神など6球団8人のスカウトが集まった。高橋は進路について明言を避けたが、プロを目標に設定していることは明らか。「足を早く治して、この夏投げられなかったぶん、次のステップで悔しさを晴らしたい」と目を輝かせた。

 夏の甲子園にはたどり着けなかったが、最速152キロ右腕がドラフトの超目玉であることに変わりない。【桝井聡】