東海大甲府が甲府城西を下し、2年連続13度目の甲子園を決めた。同点の4回、4番平井練外野手(3年)が右中間へ2ランを放つなど、3安打を集中し4点先制。そのリードをエース菊地大輝投手(2年)が気迫の投球で守り抜き、わずか4安打で接戦をものにした。100周年を迎える全国高校野球選手権大会(甲子園)は8月6日に開幕する。

 東海大甲府が0-0で迎えた4回に集中攻撃を見せた。1死二塁のチャンスから、3番角山颯外野手(3年)が左翼へ先制の適時二塁打。続く4番平井が右中間席へ2ランを運んだ。なお、2死一塁から7番宮川一駿内野手(3年)が右中間へ適時三塁打を放ち、一挙4点を先取した。

 貴重な得点をたたき出した平井は「こすった感じだったけど、よく伸びてくれました。みんなの気持ちがスタンドへ入れてくれたと思います」と喜んだ。まさに、ワンチャンスの展開だった。打線は4回以外は得点圏に走者を進めることができず、わずか4安打で接戦を制した。村中秀人監督(56)は「相手投手の制球力が良く、ワンチャンスかなと思っていた。その場面でよく集中した」と振り返った。

 打線が挙げた4点をエース菊地が守った。相手打線に9安打を浴び、5回には大塚誠弥外野手(3年)に3ランを浴びたが、その後は粘りの投球で得点を許さなかった。

 甲子園の思いが強い投打の主軸が活躍した。平井は「あの悔しさを晴らす」と誓っていた。昨夏の甲子園初戦の佐久長聖(長野)戦だった。「4番右翼」で先発出場したが、2打数無安打で4回に途中交代。1-3と敗退し、「悔しすぎて土も持ち帰らなかった」と話した。

 エース菊地は背番号11でベンチ入りしたが、マウンドに上がらないまま夏が終わった。菊地は「1年間で球速、精神面、制球すべてのレベルが上がった」。今大会は最速145キロの速球を武器に、準決勝まで1点も許さない投球だった。

 2年連続の甲子園に貢献したエースと4番は「甲子園では、過去最高成績(4強)を超えたい」と口をそろえた。【倉田祥太】

 ◆東海大甲府 1946年(昭21)創立。普通科のみで生徒数は787人(女子は211人)、野球部は58年に創部で部員数は130人。甲子園出場は春4度、夏は13度目。主なOBはヤクルト村中恭兵、日本ハム渡辺諒ら。所在地は甲府市金竹町1の1。森永州一校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦7-0日大明誠

3回戦8-0山梨学院大付

準々決勝10-0都留

準決勝11-0日本航空

決勝4-3甲府城西