チームで掲げてきた「超攻撃的野球」が結実した。

 3点を追う3回。石見智翠館(いわみちすいかん)が1点を返し、なお1死一、三塁。2番荒木。「真っすぐをはっていた」。初球の直球を強振。伸びた打球は左越えの逆転の3ラン。勢いは止まらない。さらに2本の安打などで2死満塁。7番上農(かみの)が中堅手の頭を越える3点適時三塁打を放ち、この回だけで7得点。その後1点差に迫られたが、8回に村上航の3ランで突き放した。

 冬場、長いバットや太いバットも使って、個々が1日1000スイングほど積み重ねてきた。手はテーピングでぐるぐる巻きになることも。こうした練習が「自信になった」と上農。一気呵成(かせい)の攻めで、2年ぶりに甲子園への切符をつかんだ。(朝日新聞)

 ◆石見智翠館 1907年(明40)創立の私立校。09年に江の川から現在の校名に変更。生徒数554人(女子220人)。野球部創部は66年で、部員数は70人。甲子園は春1度、夏は9度目の出場。03年夏は4強。主なOBは谷繁元信(中日監督)ら。所在地は江津市渡津町1904の1。竹迫繁校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦12-0明誠

3回戦2-1松江農林

準々決勝3-0立正大淞南

準決勝7-6大社

決勝12-6大東