宮崎日大は念願の甲子園初勝利に結びつけられなかった。榊原聡一郎監督(52)は「初回を乗り切れなかった。杉尾があんなことはないのだが」と悔やんだ。

 序盤のつまずきが響いた。エース杉尾は初回にいきなり3安打と1四球で2失点。「初回はストライクを入れにいって打たれた」とうなだれた。宮崎大会から多用した黒木との「猫の目継投」もリズムを取り戻すまでには至らなかった。

 指揮官は広島などでプロ経験を積んで、就任1年で母校を甲子園に導いた。「(指導者として)変わらないと思うが、プロには段取りがある」とちょっとした違和感があったのも事実。

 今後は大舞台の経験を生かした指導となる。「近いうちに(甲子園で)1勝、次に2勝というようになると思う」。ユニホームに赤を取り込んだ。尊敬する三村敏之さんの教えを胸に、子どもたちに伝え続ける。【中牟田康】

 ◆元プロ監督 宮崎日大・榊原聡一郎監督は88~90年に広島-ダイエーで外野手、一塁手としてプレー。日本学生野球協会の審査が必要となった84年以降、元プロ野球選手が監督で甲子園に出たのは瀬戸内・後原富(せどはら・ひさし=91年春、00年夏)常葉学園菊川・佐野心(08年夏)早鞆・大越基(12年春)東海大菅生・若林弘泰(15年春)の各監督に次ぎ5人目。今大会には九州国際大付・楠城徹監督(元西武)も出場している。