東海大山形を8度(春2夏6)甲子園に導いた滝公男監督(60)が、4月から指揮を執る山形学院で公式戦初勝利を挙げた。エース右腕・鈴木康祐投手(3年)が初回に先制した4点を守り切り、9回6安打11奪三振で南陽に4-0の完封勝ちした。明日12日の2回戦で古巣の東海大山形との対戦が実現し、滝監督は「春は勝てなくて、このチームでの初勝利は素直にうれしい。組み合わせが決まった時点で、東海とやらなきゃ話にならないと思っていた」と意気込みを語った。

 柔軟な指導法で、素質を開花させた。「入部してくる部員のレベルも技術も東海とは全然違う。怒ってもできない選手はできない。だったら粘り強く接すればいい」。東海大山形では選手に厳しく接して猛練習で力を伸ばしていったが、山形学院着任後は方針転換。ミスした選手にも時間をかけて諭すように話しかけ、眠っていた潜在能力を徐々に引き出していった。

 就任1年目の夏で早くも、古巣対決がかなった。滝監督は「自分たちの実力は承知している。勝った、負けたより、どのくらいまで通用するかが楽しみ。物おじせず挑戦者としてやっていく」と不敵に笑った。