6月の挑戦を実らせた。今秋ドラフト候補右腕の須磨翔風・才木浩人(3年)が5回1安打無失点と好投。序盤は142キロの球速は、投げるにつれて146キロに上がった。「指がしっかりかかるようになり、ボールの回転がよくなった」と手応えを明かした裏に、6月中旬に敢行した投球フォーム改造があった。

 「藤浪2世」の異名を取る187センチの長身と長いリーチ。豊かな将来性を感じさせる体格でも、投げるタイミングが合わないときは連打を浴びた。体の開きも悩みの種だった。そこで、大きく取っていたテークバックを小さくする改造に踏み切った。「夏を前に、勇気があるなと思いましたよ」と中尾修監督(50)も驚きながらエースの挑戦を見守った。

 フォーム改造後の練習試合で147キロをマークするなど、結果を重ねた。さらに夏本番で好投。9球団20人のスカウトが視察し「投球練習で、これは間違いないと思える球を見たこともあるし、将来が楽しみです」(阪神熊野スカウト)と成長を期待する。13日の次戦は報徳学園と対戦。兵庫大会屈指の好カードに向け「やりたかった相手。自信のあるまっすぐで抑えられたら」と持てる力を強敵にぶつける。【堀まどか】

 ◆才木浩人(さいき・ひろと)1998年(平10)11月7日、兵庫・神戸市生まれ。出合小1年から「枝吉パワーズ」で軟式野球を始め、王塚台中では軟式野球部に所属。須磨翔風では1年秋からベンチ入りし、2年春からエース。50メートル走6秒6。遠投100メートル。好きな選手は日本ハム大谷。187センチ、79キロ。右投げ右打ち。