秋田の「KEIOボーイ」が球場に初校歌を響かせた。今春新たに開校した大館桂桜(けいおう)は6-1で六郷を下し、夏初陣を飾った。右腕エース関弘夢(3年)が5安打1失点完投。7者連続を含む先発全員の18奪三振で、記念すべき夏1勝に花を添えた。

 5点リードの9回表2死一、二塁、相手6番打者を内角高めの直球で空振りに仕留めて計18奪三振。夏初先発を自己記録更新で飾った関は「そんなに多いとは思っていませんでした。でも9回はもう1個ぐらい取れたかな」と振り返った。

 今春、大館工と大館に女子校だった大館桂の3校を統合して新設開校。野球部も2校が合体して新たなスタートを切った。昨年度で大館工の主将だった関は「投球に集中できるようになった」と大館だった佐々木亮捕手(3年)とバッテリー間の連係を深めてきた。春の県大会は開幕試合で逆転負けする悔しさも味わった。その後はセットポジションに変更。制球と球威が、この日の中盤には自己最速139キロもマークした。

 最後まで笑顔を絶やさずに投げ抜いた。「バッターとの駆け引きもあります。苦しくても次も笑顔を忘れずに投げたい」。大館桂桜の初代エースは再び、笑顔を見せた。【佐々木雄高】