横手城南は、秋田工に延長10回4-3でサヨナラ勝ちし、創部9年目で初の3回戦(16強)進出を決めた。夏初先発の右腕エース新山寛太(3年)が自己最速となる143キロの速球を交えて10奪三振、11安打3失点完投。部員17人中1、2年生が13人の若いチームを投打でけん引。サヨナラ勝利を呼び込んだ。

 延長10回裏1死満塁。新山がネクストサークルで勝利の味をかみしめた。2番冨樫悠也(3年)の左前打で三塁走者の織田海斗(2年)が生還。緊張から解き放たれた新山は「三振でも自分が決めるつもりでした。でも3年生なので決めてくれると信じていた。ホッとしました」と最上級生の自覚を示した。

 計177球の力投。初戦の緊張はあったが、スタートから全力でとばした。直球の平均球速は135キロを上回り、8回には自己最速をマークするなど、最後まで衰えなかった。昨季は力勝負に頼りすぎ、自滅することも多かったが、精神的に成長。技術的にも「どれだけ速いストレートを投げても真ん中に入ったら打たれる」と、左右低めに投げ分ける制球力を磨いた。「球速はアベレージが大事。感情的にならずに丁寧なピッチングをしたい」とチーム初の3回戦(大館国際情報学院戦)に闘志をみなぎらせた。【佐々木雄高】