秋田商は12-5で第1シード能代を下して8強入り。昨夏、全国8強メンバーの2番成田和(かず)外野手(3年)が、5安打3打点3得点と大活躍した。

 ノーシードの秋田商が今夏3度目の校歌を球場に響かせた。計17安打で第1シードを撃破。太田直(すなお)監督(37)は「序盤から気合が入っていた。好球必打で攻めていく気持ちがあった」と話した。

 1~4番の先発3年生4人は昨夏の甲子園8強レギュラー。中でも副主将の成田和が打線をけん引した。初回、チーム初安打の左中間三塁打で出塁。3番武田佳輝の今夏初安打で先制ホームを踏んだ。2回は右前適時打、4回は左前打から6点目のホームを踏み、打者9人の猛攻を見せた9回は1死二、三塁から右前2点適時打を放った。「1打席目で打って乗っていけた。5安打は初めて。積極的にストライクを振っていこうと思った結果」と振り返った。

 プロ入りした昨夏エース成田翔(18=ロッテ)と同じ名字で、弟と間違われることが多かった。投手と野手の違いはあったが、その背中を見続けてきた。同部屋になる合宿などでは隣に布団を敷き、「弱気になったらダメだ。1人でも練習できるようになることが大切」とアドバイスを受けた。168センチ、68キロと昨夏の成田と身長も体重も同じ。愛用していた26・5センチのシューズをもらい、部室では成田が使っていたロッカーを使用している。

 甲子園を経験して精神面でも成長。「オンとオフの切り替えが分かるようになって試合でもいい緊張感を持てるようになった」という。昨秋、今春は地区予選で敗れる悔しさを味わった。「連覇は意識しないで挑戦者の気持ちで悔しさを晴らしたい」と聖地、甲子園に戻るつもりだ。【佐々木雄高】

 ◆成田和(なりた・かず)1999年(平11)2月10日、秋田・大館市生まれ。長木小4年から学童野球を始める。大館東中では大館リトルシニアに所属。秋田商では1年秋から捕手でレギュラー入り。2年春から外野手に転向。家族は両親、兄2人。右投げ左打ち。168センチ、68キロ。血液型A。