新潟明訓は巻に6-4で逆転勝ちし、4年ぶり8度目の甲子園へ王手をかけた。3-4の8回2死一、三塁で大崎海渡(3年)が左中間への逆転2点適時打を放ち、勝負を決めた。決勝は今日24日、ハードオフエコスタジアム新潟で午後1時プレーボールだ!

 沸き上がる一塁側ベンチに向かって、新潟明訓・大崎は軽くガッツポーズした。「逆転できてよかった」。淡々としたしぐさは、うれしさの照れ隠しだった。

 1点差に追い上げた8回裏2死一、三塁。巻・小鷹樹(3年)の外角高めのスライダーを左中間に運んだ。「スライダーだけは必ず外に来ていた」。それまでの3打席は凡退。ただ、4回裏の第2打席に強烈な右直を好捕されるなど、当たりはあった。逆転二塁打は「引っ張らずに逆方向を狙う」と丁寧に運んだ。

 3番栗山謙(3年)、4番秋葉悠(同)の後を打ってきた。「2人が出たら、かえす。それができなくてもつなぐ」。大崎は5番としての仕事を自分に言い聞かせてきた。前日22日の練習、小鷹対策としてメンバーそれぞれが狙い球を絞って打撃練習をした。大崎は「多めに使っている」と変化球に的を絞った。さらに試合中の分析でスライダー狙いに。「自分の1本でかえせた」と役目を果たしたことを喜んだ。

 本間健治郎監督(42)は「終盤に逆方向を狙う打撃ができた。みんなでつなげた」とチームのまとまりを感じた。8回裏の4得点はすべて中堅方向で6安打を集中した。昨秋の県大会で4回戦敗退後、チームのテーゼにしてきた打撃が逆転の土台になった。「決勝も全員でつなぐ」と大崎。やるべき野球に磨きをかけ、4年ぶりの大舞台をものにする。【斎藤慎一郎】