センバツ王者の智弁学園が延長戦を制し、2年ぶりの決勝に進出した。先発のエース村上頌樹(3年)が序盤から3被弾するなど、中盤までリードを許す苦しい試合展開。窮地を救ったのは「元4番」の7番打者、大橋駿平内野手(3年)の一撃だった。

 1点を追う7回2死で左翼スタンドへ同点ソロ。「いってくれという思いでした。入って良かったです」。これで勢いに乗ると、延長10回には先頭で内野安打を放ち出塁。決勝のホームを踏んだ。昨秋までは4番を務めたが、打撃不振もありセンバツでは7番を打った。復調後も打線のつながりを考え、この打順を任せられている。小坂将商監督(39)も「今日は大橋がヒーロー。彼が救ってくれた。7番ですけど今のチームで一番力があるし、一番頼りにしている」と最敬礼だ。

 今大会は4戦全て逆転勝利だ。決勝の相手は県内最大のライバル天理。「必ず勝って甲子園に行きます」と大橋。史上8校目の春夏連覇達成まで「不屈の智弁学園」は進撃をやめない。【梶本長之】