函館地区は函館稜北が上ノ国に19-1で5回コールド勝ちした。チームには大量7人の女子マネジャーが所属。手作りおにぎりの用意から、練習試合などのデータ収集までこなす。“神セブン”が男子部員16人を献身的に支え、夏は3年ぶりに初戦を突破した。 函館稜北の“マネ7人夏物語”が快勝で始まった。2回までに8長打含む14安打で一気に16得点。2季連続で対戦した上ノ国を圧倒した。西村公佑主将(3年)は「1つのプレーに集中できた。次につながる試合」と振り返った。

 選手16人のチームにとって大きすぎる存在だ。女子マネジャーは3年生の泉谷瑞希さん、風間捺奈さんを中心に7人いる。平日、練習はおにぎり約60個を握ることから始まる。その後は部室の掃除や道具の準備、さらには球拾いやマシン打撃のボール入れをこなす。練習後はグラウンド整備に加わり大忙し。今大会は3日間、当番校として4人が会場受け付けなどを担当する。マネジャーがいるからこそ試合に集中ができる。

 今春から練習試合でデータ収集も始めた。打席から一塁までの到達や盗塁阻止までにかかる時間を0・1秒刻みで計測。数値化することで選手が1球に対する意識も変わった。脇沢潤一監督(47)は「彼女たちのおかげでチーム力が上がった」と感謝。小学生時代は選手として二塁を守っていた泉谷さんは「中学は部活動に入れなかった。自分の分も頑張ってほしい」と思いを託す。

 2回戦は春に完封負けした函館工。3年生2人は先週末の合宿から寝る間を惜しんで必勝祈願のお守りを作った。ベンチには1試合ごと順番に入るため2人は「1つでも多く試合をして喜びを分かち合いたい」と声をそろえる。ナインは感謝の気持ちを結果で恩返しするだけだ。【西塚祐司】