第99回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)を目指す南・北北海道大会の組み合わせが7日、決まった。北大会(15日開幕、旭川スタルヒン)では、枝幸が17日に網走南ケ丘と対戦する。町の声援をバックに10人のチームが初出場初勝利を目指す。

 枝幸の松嶋星憲(しょうた)主将(3年)は、初めての抽選に緊張した面持ちで臨んだ。引き当てた対戦相手は、14年ぶり出場の網走南ケ丘。「相手は関係なく、自分たちの野球をするだけです」。選手10人を代表して力強く言い切った。

 3季通じて初の道大会出場に町が一丸となって盛り上がる。初戦から169人の全校応援実施を決めた学校を役場がバックアップ。生徒用の貸し切りバス4~5台分の費用を負担する。松嶋主将は自転車での登校時、地元の人から「頑張ってね」と声をかけられる。市野紘隆監督(32)は「町からの応援バスツアーを希望してる人もいます。うれしいです」と感謝する。

 エース山上透真(3年)を中心に守り、少ないチャンスで得点を重ね、地区を突破した。北大会に向け打撃マシンの投球速度を最大値に設定。打席までの距離を短縮し、約30分間、打ち込んでいる。「球速は135キロくらい。人数が少ないのでどんどん打てる」と市野監督。着々と準備を進めている。

 「えさし」の夏にする。直線距離にして約580キロ離れた道南の江差が南大会に出場する。市野監督は「たまに間違って電話がかかってくる。何かの縁なので一緒に勝ち上がりたい」と話す。代表決定戦で延長12回の死闘を演じた士別翔雲から「甲子園を目指して頑張れよ」と千羽鶴を託された。松嶋主将は「いろんな人たちの期待を感じる。頑張りたい」。さまざまな思いを背負って10人が初陣に挑む。【西塚祐司】