2年連続の夏出場を狙う八戸学院光星が、青森中央を9-3で下し、準決勝進出を決めた。今大会ここまで11打数1安打と大不振の4番小池智也外野手(3年)が、ダメ押しの2点本塁打を放つなど5打数4安打3打点と大暴れした。

 眠れる4番がようやく目を覚ました。4-3で迎えた7回裏無死一塁。追加点が欲しい場面で期待に応えた。「犠打で確実に走者を送る場面でしたが、打ての指示が出たので長打で期待に応えたかった」。外角低めのストレートを、バットの先でとらえてフルスイングすると、打球は左翼席に飛び込んだ。貴重な追加点を奪って、不安も一気に払拭(ふっしょく)した。

 「光星の4番を張っているという重圧があった。打ちたい気持ちで焦りがあった」。絶好調だった打撃が本番開始とともに、鳴りをひそめた。3試合でわずか1安打。ボールを引きつけフルスイングするフォームが崩れ、上体が前方に突っ込む悪癖に悩まされた。

 もがく4番に、仲井宗基監督(55)が手を差し伸べる。「バットが握れなくなるほどボロボロになるまで振り込んだ」(小池)と緩い球を打ち、ためを作る特訓で開眼した。1打席目からいずれも直球をフルスイングし中堅方向に打球を運び3打席連続で二塁打。仲井監督は「今までためていたのか、しっかりフルスイングしていいところで打ってくれました」と、活躍に目を細めた。今日25日は春の準決勝で敗れた弘前聖愛が相手。小池は「1球で試合は決まってしまう。すきをつくらないようにしてリベンジしたい」と気持ちを引き締めた。【下田雄一】