先発マウンドは今大会4戦23回1/3で、防御率0・39のエース皆川だった。「自分の投球で、チームにリズムをつくろうと考えていました」。1回、いきなり2人走者を出した。だが、いずれも一塁けん制で刺し、機動力を得意とする「機動破壊」の出はなをくじいた。2回には5試合連続本塁打中の4番山下航汰一塁手(2年)を迎えた。戸部魁斗捕手(3年)は健大打線全員のデータを集め、入念に対策をしていた。「(山下には)とにかく強気に内角に。140キロ台の速球には対応しきれない」と強気の好リード。皆川はこの試合最速の146キロ直球で2ストライクとし、最後は内角高めの144キロで空振りを奪い、注目の山下を3球三振に仕留めた。

 4回からは、中堅を守っていた丸山が救援マウンドに上がった。最速142キロの直球と、変化球を低めに集めた。6イニングで4度、3者凡退に抑えた。「1年生大会で負けてから、健大に勝とうと練習してきました」。9回には無死から連打で1点を返され、2点差に迫られたが、伝令で仲間から「簡単に勝たせてくれないのは想定内。いつも通り楽しんでやろう」と声を掛けられ、気持ちが楽になった。併殺と遊ゴロでピンチを脱した。

 2年連続3度目の夢舞台。丸山は「1戦1戦しっかり戦って、偉大な先輩の優勝に並びたい」と意気込んだ。先輩の高橋光成(現西武)を擁して初出場初優勝を飾った、13年の再来を狙う。【太田皐介】