日大山形が泥臭い野球で内弁慶を返上する。4年ぶりに甲子園の土を踏んだ荒木準也監督(45)は「きれいなヒットは打たなくていい。バットの根っこでも、先っぽでもいいから」と言った。

 現チームは山形では無敵の一方で、昨秋の東北大会は大曲工(秋田)に、今春の同大会は東日本国際大昌平(福島)にいずれも初戦(2回戦)で敗れた。県外の大会で勝ったことがない。甲子園も「そんなに簡単にここでは勝たせてくれない」と荒木監督は冷静だ。山形大会全5試合で2桁安打、チーム打率は3割7分7厘。投手レベルが上がる全国で、その強打が発揮できるとは限らない。だからこそモットーの1つ「泥臭く」で活路を開く。

 ベンチ入り18人は4年前の夏のベスト4入りを見て、日大山形の門をたたいた。荒木監督は「それ(4強)を目標にやってきた。選手にはその思いがある」と言い、再度の快進撃を狙う。主将の舟生(ふにゅう)大地捕手(3年)は「山形の代表で来ている。強い気持ちでやっていきたい」と闘志を新たにした。【久野朗】