今日7日に開幕予定だった第99回全国高校野球(甲子園)が、台風5号の影響で中止、明日8日に順延になった。開会式後の第3試合(午後3時30分開始予定)で津田学園(三重)と対する藤枝明誠(静岡)は6日、開会式リハーサル後に奈良・生駒市内で練習。実戦中心のメニューで本番に備えた。

 藤枝明誠の選手たちは、午前9時からの開会式リハーサルに参加した。中田悠斗主将(3年)を旗手に、18人全員で声を出し、足並みをそろえて行進。中田は「『良かったぞ』と言われて、ホッとしています」と笑顔で話した。

 チームは同10時に甲子園を離れ、バス移動中の同11時、大会本部から「大会第1日の順延」の知らせが入った。光岡監督は午後1時から軽めの最終調整を行う予定を組んでいたが、すぐに実戦中心の練習に切り替えた。選手には練習場に到着後、順延を知らせた。

 光岡監督 当日の朝ギリギリに決まるより、早い方がいい。特に久保田にとっては、調整法が変わってくるので、早めに分かってありがたかったです。

 7日に照準を合わせてきたエース久保田蒼布(そう=3年)だが、「もう1日、準備できるのはいいこと」とプラス思考だ。前夜は、DVDで津田学園の三重大会を見て、打者の特徴を確認。一夜明けたこの日は、ブルペンで40球を投げ込んだ。「(各打者への)組み立てを意識しながらです」。

 昨年10月の練習試合では、先発して7回を2安打無失点に抑えた。結果も8-0のコールド勝ちだったが、映像を見たことで「秋とは全然違うチーム。小技もあるし、特に1、3、4番には注意したい」と警戒を強めている。

 分析、調整の時間が増えたことに加え、エースはもう1つ吉兆を感じている。県大会決勝で大雨の中、最後まで投げ抜いて甲子園切符をつかんだことから、「運がいいのか悪いのか分かりませんが、雨で勝てているので、今回もいいと思います」。悲観は一切なし。すべてをプラスに転化し、久保田が甲子園のマウンドに立つ。【鈴木正章】