松商学園(長野)は、今大会初の毎回安打で土浦日大(茨城)に圧勝した。

 松商学園は21安打12得点で快勝し、17年ぶりに夏の甲子園で校歌を響かせた。初回、1死から左前打で出塁した渡辺が盗塁を決め、4番の藤井の左適時打で先制。足立修監督(53)は「渡辺が思いきって走り、県大会で当たりのなかった藤井のタイムリー。これがチームの勢いになった」と振り返った。新チーム発足時から、ことわざ「泰山の高きは一石にあらず」に例え「1人の100歩よりも(部員)100人の1歩」と指導。それが生きた。

 メンバー外の選手は相手投手を徹底分析。それをもとにした「フライは上げない。低い打球を打つ」という徹底が毎回安打を生んだ。「相手投手はセットに入るまでに2秒。ランナー一塁で変化球は90%、セットに入るとけん制はない」と、井領、渡辺、北原の50メートル6秒の俊足トリオはノーサインで計5盗塁とチャンスを広げた。控え選手も含めた全員野球が古豪松商学園を眠りから呼び起こした。