仙台育英(宮城)は毎回の18安打の猛攻。15-3で滝川西(北北海道)に大勝した。

 仙台育英エース長谷川が、投打に躍動した。先発投手として6回を2安打無失点。4回まで毎回、先頭打者の出塁を許したが「ランナーを出してから落ち着いていけた」と冷静に対応できた。3併殺で切り抜け、二塁を踏ませなかった。2点リードの2回無死二、三塁からは内角を右越えに3ラン。「バッティングは好きなので。うまく打てました。1勝できてホッとしています」と笑った。

 大勝で甲子園2年ぶり勝利を収めた。平沢大河(ロッテ)や佐藤世那(オリックス)を擁して準優勝した15年のチームを、1年生として見ていた現3年生が、先発9人のうち8人並ぶ。長谷川が「先輩たちを超えることを目標にやってきた」と話すように、憧れの「2コ上」を意識してきたが、昨秋の明治神宮大会、今春センバツは初戦敗退。三度目の正直で全国大会の白星をつかんだ。

 前日には宿舎で佐藤世の激励を受けた。長谷川は「ゼロに抑えることが大切。そういうところを見習ってきた」と、大きな刺激にした。「まず1勝」という佐藤世のエールに、きっちりと応えた。

 佐々木順一朗監督(57)は、連帯感は2年前より上とみる。スターはいないが「この子たちは負けないんじゃないか、という感覚になる」。そんな打線は18安打を放ち、今大会最多の15得点。15年夏の1回戦の20安打12得点と遜色はない。2年前を超えたとき、悲願の初優勝が待っている。【久野朗】

 ◆長谷川拓帆(はせがわ・たくほ)1999年(平11)4月30日、秋田市生まれ。小学3年から野球を始め投手一筋。秋田・桜中では軟式で全国大会ベスト16。仙台育英では2年春からベンチ入り。2年秋、3年春と東北大会制覇。178センチ、82キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄。

 ◆仙台育英の初戦突破 夏は06年から出場8大会連続で初戦突破。

 ◆毎回安打 仙台育英が記録。今大会の松商学園(対土浦日大)以来通算81度目。