「どこに投げても打たれる気がした…」試合後、前橋育英の先発、丸山和郁外野手(3年)は、涙ながらに話した。

 初回から、花咲徳栄打線につかまり、3連打に四球をはさみ、適時打で4失点。3回にも1死満塁から内野ゴロの間に1点。3回までに7安打5失点で降板。センターの守備についた。

 前橋育英は、4回からエースの皆川喬涼投手(3年)、8回からは吉沢悠外野手(3年)と、自慢の140キロトリオを投入するも、強打の徳栄打線につかまり10失点。4年振りの優勝はならなかった。

 丸山は、3回で降板したが攻撃面でチームに息を吹き込んだ。5回には四球で出塁し大会タイ記録となる8個目の盗塁を決めた。しかし、「負けたら意味がない」と唇をかんだ。明徳義塾戦で痛めた左手首も痛み止めの注射を打っての出場だった。「骨折の飯島を中心に、頑張っている。自分たちが痛いなんて言っていられない…頑張ってくれている飯島のためにも勝ちたかった」と、涙した。

 荒井直樹監督(53)は、「選手たちは、苦しい状況の中、粘りを見せてよく戦ってくれた。甲子園で高校野球を終われるのは、すごいこと。ここからいろいろ学んで成長して欲しい」と、選手たちにエールを送った。