この夏、西東京大会から日大三、早実と注目校を倒し、初のベスト4進出を果たした東海大菅生の夏が終わった。

 2点を追う9回、1死一、二塁から1番田中の打球は、遊撃手の足を強襲し2点適時打となり同点に追いついた。しかし、2死三塁で3番小玉佳吾内野手(3年)は空振り三振。サヨナラのチャンスを逃した。敗戦後、小玉は「みんなが回してくれたのに。打てなくて悔しい」と、肩を落とした。

 延長11回には3番手の山内大輔投手(3年)が花咲徳栄打線につかまり、2死二、三塁から右越え二塁打に暴投で3失点。「強気で押していったつもりだった。最後はもっと冷静になれば抑えられたと思う」と、悔やんだ。

 4回からリリーフ登板した花咲徳栄・清水達也投手(3年)の速球に翻弄(ほんろう)された。2試合連続本塁打を放っている小玉は、「清水選手はストレートが速いので、低めの見極めが難しかった。ストレートを打とうと思ったけど、いいコースに制球されていて、手がでなかった」と脱帽した。

 今大会中は「清宮を倒した菅生」と言われながらも、強打で勝ち進み、全国の舞台でその強さを実証した。小玉は「勝つごとにチームが1つにまとまっていった。今日、9回同点に追いついた場面や、延長に入ってからも、大きな声援をいただいて、観客が仲間になってくれた感じで、とてもうれしかった」と、笑顔を見せた。

 若林弘泰監督(51)は初のベスト4進出で、「1つの歴史をつくることができたけど、勝たせてあげられなかった。申し訳ない」と、選手たちを思いやったが、早実を倒し、甲子園で躍動した東海大菅生の選手たちは、今年の甲子園に大きな足跡を残したはずだ。