第90回選抜高校野球に出場した駒大苫小牧(北海道)が25日、帰道した。24日静岡戦前のシートノックの際、送球を右目に受け負傷した道原慧一塁手(3年)は、3針縫った右目をガーゼで保護した状態で移動。試合前のアクシデントで欠場したことについて「しっかりボールを追っていれば防げた。自分の不注意でみんなに迷惑をかけた。ケガを治して、もう1度夏にむけて全員で出直したい」と猛省した。

 聖地の雰囲気が冷静さを失わせていた。併殺の練習中、一塁の道原は捕球し二塁送球後、後に待つ控えの一塁手への打球をよけようと一瞬、ボールから目を離した。「緊張からか、周りが見えてなかった」。遊撃手からの返球が右目を直撃した。救急車で兵庫西宮市内の病院に搬送中、同行したコーチがラジオで戦況を伝えてくれたが、敗戦の瞬間は病院での処置の最中。「悔しい気持ちと申し訳ないという気持ちでいっぱいだった」と振り返った。

 今日26日に苫小牧市内の病院で精密検査を受ける。「甲子園の雰囲気を感じる余裕もなかった。精神面を磨かないと」。痛みを夏への糧にする。【永野高輔】