昨夏の覇者に15人の刺客が飛ぶ! 第100回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)に向けた各地方大会の組み合わせ抽選が20日、行われた。北埼玉では部員15人ながら精鋭ぞろいの桶川西が、昨夏全国Vを果たした花咲徳栄に初戦で挑む。

 北埼玉の抽選会もラスト8校なのに、まだ花咲徳栄の隣が空いている。抽選順を待つ桶川西・永井大生主将(3年)の鼓動は高まった。会場から眺める松岡洸希三塁手(3年)は、主将の姿に「引くオーラがある」と確信した。永井主将はクジを確認し「あぁ…」と天を仰いだ。やはり、花咲徳栄の隣だった。

 2年前、98回大会の初戦も、桶川西の相手は花咲徳栄だった。3-14で5回コールド負け。だが、背番号12でベンチから見つめていた永井主将は「先輩たちは決して劣っていなかったです」と胸を張る。

 野球部員は15人ながら、侮ることなかれ。桶川西はジャイアント・キリングの可能性を秘める。松岡は投手も務め、最速143キロの直球と5種類の変化球を持つ。高校通算55本塁打の花咲徳栄・野村佑希(3年)との対戦にも「すごいバッター。ぜひ対戦して抑えてみたかった」と尻込みする様子は一切ない。

 その松岡を差し置き、最速135キロ左腕の並木隆幸投手(3年)がエースとして君臨する。針生太一捕手(3年)は遠投120メートルの強肩。部員は15人でも多士済々だ。「徳栄が強いのは確か。全員でモチベーションを高めて挑みたい」と永井主将は力を込める。

 ナインも興奮が止まらない。「引き、すごい」「震えが止まらない」など、永井主将をたたえた。夕方にはさっそく15人で練習に精を出した。いざ、先輩のリベンジへ。王者を震えさせる夏にする。【金子真仁】