高校野球特集の第3回は、1年生にクローズアップ。今夏の第100回大会では中心選手ではなくとも、第101回以降の主役になるタレントぞろい。今春センバツで8強入りした星稜(石川)では、昨年U15日本代表としてアジア選手権制覇を経験した内山壮真内野手、荻原吟哉投手、寺西成騎投手の「中学侍ジャパントリオ」が大活躍の予感だ。

 実力と実績を持ったルーキーが星稜に集まった。内山、荻原、寺西はU15日本代表として昨年静岡で行われたアジア選手権に出場。優勝を果たした中心選手の3人だ。内山と荻原は星稜中時代に、軟式野球で2度の日本一も経験している。

 内山は捕手として出場したアジア選手権でベストナイン、5試合2発で本塁打王に輝いた。高校デビュー戦は春の県大会2回戦。「1番遊撃」で先発し、初打席初球で右前打を放った。「ラッキーなヒットでした」と照れるが、野球以外の運動神経も抜群。父の影響で始めた空手で、小学生の時に富山県大会を制覇したこともある。

 荻原は高校で硬式に変わり約3カ月だが、すでに最速139キロを計測した。北信越大会準々決勝で公式戦デビュー。ともに初登板だった寺西から5回2安打無失点でバトンを受け、2回無安打無失点。7-0の7回コールド勝ちに貢献した。「高校では自分で考えて練習して、成長しないといけない」と最速140キロ後半を目標にする。

 軟式で最速141キロだった大型右腕の寺西は、阪神福留から奪三振の経験がある。テレビの企画で3打席対戦。「オーラがすごかったです。最初はどこに投げればいいか分からなかった」と1本ヒットを許したが、三振とゴロにも仕留めた。OBの松井秀喜氏と同じ小中学校、野球クラブ出身で、3つ上の兄建さんは星稜時代に「ゴジラ2世」と呼ばれた大型打者。偉大な先輩の背中を追っている。

 3人はU15日本代表時に「一緒に星稜でやろう。3人で強くしよう」と言い合ったという。センバツ8強の名門に頼もしい新戦力が加わった。【磯綾乃】

 ◆内山壮真(うちやま・そうま)2002年(平14)6月30日、富山・上市町生まれ。宮川小3年時に滑川東部スポーツ少年団で野球を始める。星稜中では遊撃手と捕手。遠投110メートル。172センチ、70キロ。右投げ右打ち。

 ◆荻原吟哉(おぎわら・ぎんや)2002年(平14)10月5日、石川・白山市生まれ。北陽小3年時に松任ブルーウイングスで野球を始め、星稜中では投手と遊撃手。軟式では最速136キロを計測し、硬式では最速139キロ。170センチ、70キロ。右投げ右打ち。

 ◆寺西成騎(てらにし・なるき)2002年(平14)10月18日、石川・能美市生まれ。浜小3年時に根上学童野球クラブで野球を始め、根上中では投手と捕手。軟式では最速141キロを計測し、硬式では最速138キロ。186センチ、79キロ。右投げ右打ち。