夏の全国高校野球北神奈川大会(8日開幕)で初の甲子園を目指す相模原は“採点式”というユニークなメンバー選考を取り入れた。

 神奈川では14年夏に8強、15年春に準優勝の成績を残した県立の強豪として知られる。今年は計85人と県立では最多の部員数を誇り、メンバー入りの競争が激しい。神奈川県高野連へのメンバー提出締め切りの今月上旬まで選考が行われた。

 佐相(さそう)眞澄監督(59)は「私立の選手たちに対抗するには、練習からプレッシャーを与えながら、ギリギリまで競わせる」と、3年生の引退試合も行わずにギリギリまでメンバー選考に時間を割いた。三振はマイナス2点、ホームランはプラス3点などと練習試合ごとに細かく採点。同監督は「練習試合で結果が残せない選手は公式戦でも結果は出ない」と、部員に納得してもらえるように“通信簿”を示している。小島開陸主将(3年)も「選手は7月までモチベーションが上がるし、緊張感のある中で練習ができる」と“採点式”に理解を示した。

 田口暁伸外野手(3年)は今夏、あと1歩のところでメンバーを外れた。「メンバーの時もあったので、正直悔しい」と言うものの、3年生の仲間からの推薦で2年連続で応援団長を務めることになった。「声が大きいのが長所なので正直向いていると思う」と気持ちを切り替えて、吹奏楽部などと最後の夏に向けて猛練習中。昨年の反省をふまえ、10種類ほどあった曲を流れの切れないメドレー風にアレンジするという。チャンステーマは愛称「県相」になぞらえた「ケンソール」。テンポよく迫力のあるオリジナル曲だ。「ケンソール」がかかるようなチャンスで、後押ししたいと意気込む田口は「昨年と違って今年は3年生。最後という思いも強い。チームの士気が上がるように一生懸命応援します」と熱く語った。

 相模原の初戦(1回戦)は12日、中栄信金スタジアム秦野で秦野曽屋と対戦する。【松熊洋介】