「4本目の矢」が輝きを放った。国学院栃木・保科虹彩投手(3年)が1点リードの4回から2番手でマウンドに上がり、3回2安打無失点4奪三振の好投で勝利を呼び込んだ。「緊張しました。今日はスライダーがよかった」と投球を振り返った。

 国学院栃木は今春センバツで16強入りも、保科は、水沢、渡辺、宮(いずれも3年)の3投手からなる「3本の矢」の活躍をスタンドから見守った。「12月にヘルニアになり、3月まで投げられなかった。でも、その間にインナーマッスルを鍛えたおかげで直球に力が出た」とケガをも前向きに捉える。「(自分は)春から夏までの間に結果を残すしかなかった」と練習試合で必死にアピールし、信頼を勝ち取った。

 柄目直人監督(35)も保科の活躍に「元々構想になかった選手だが、どんどん伸びている。どんな相手、どんな場面でもいい投球をする」と目を細めた。

 保科は「水沢や渡辺が少しでも楽になるように頑張る。甲子園ベスト8以上が目標」と力を込めた。次戦は12日、宇都宮工と対戦予定。栃木大会を勝ち上がり、夏こそ必ず甲子園のマウンドに立つ。【久永壮真】