部員10人の東学大国際中教校が、東京電機大高に5回コールド勝ちで夏の大会での創部初勝利を挙げた。池田正嗣監督(49)の息子で、先発した正宗投手(3年)が4回を4失点と粘投。打っても三塁打2本の2安打3打点で攻守に躍動した。正宗は「初勝利の瞬間を父と迎えられて、うれしいです」と笑みがこぼれた。

 数々の困難を工夫で乗り越えた。昨年1月に就任した池田監督は会社員で、指導を行えるのは仕事が休日の土日のみ。練習場所は校庭で、危険を回避するためにフリー打撃は軟式球を使用する。バットは重さ1キロ以上の重量の木製を使って、振る力を強化。フルスイング、ライナー性の打球、逆方向の3つの意識を持ち、安打が出るスイングの軌道と思考を身に付けた。

 春までは部員7人と足りず、今春は連合チームで出場した。少数の部員でも勝負できるように、慶応高出身の池田監督は積極的にミーティングを実施。「多い時で2時間。どういう形で打てばいいかとか、イメージを植え付けて」練習の質を上げた。14年の同大会で4-32で大敗したチームが、毎回の13安打16得点で成長を証明し、歴史的な1勝を刻んだ。【久保賢吾】