青藍泰斗(栃木)益子京右捕手(3年)が、初戦の宇都宮短大付戦でプロ注目の能力の片りんを見せた。5回の守備。ワンバウンド投球を体を張って止めると一塁走者が飛び出した。すかさず二塁へ低くうなるような送球。慌てて戻る一塁走者を遊撃手の送球でタッチアウトとし、スタンドをどよめかせた。「(走者が)飛び出たのが見えたので二塁へ投げました」と冷静に振り返った。

 通算23本塁打の長打力と二塁への自己最速送球タイム1秒72を誇る鉄砲肩がセールスポイント。今年の高校生捕手NO・1の呼び声も高く、スタンドには9球団のスカウトが集結した。某球団スカウトは「地肩があって、打力もある。タイプで言えば広島の会沢かな」と評価した。

 ただ試合は猛省。初回の1打席目は四球で出塁したが、その後の4打席は凡退。盗塁を許す場面もあり「全部最悪でした」と悔しさをにじませた。2回戦は13日に宇都宮と対戦する。「結果だけではなく、内容も求め、この(チームの)勢いに乗っていきたい」。目標はプロ。まずは仲間たちと聖地甲子園を目指す。【山川智之】