木更津総合(東千葉)の根本太一投手(2年)が、「兄ちゃんとの野球」でチームを勝利に導いた。

 4回2死からマウンドへ。力いっぱい腕を振った1球目は自己最速まであと1キロに迫る148キロを計測し「この1球で楽しくなった」とギアを上げた。得意のスライダーで三振に打ち取ると、快投ショーのスタートだ。速球とキレのいい変化球で7回2死までの打者10人に8三振。「今日は楽しめた」と口元を緩めた。

 野球の原点を「兄ちゃんとの野球」と言う。高校まで野球を続けた10歳年上の兄晃平さん(27)の影響で小1で豊住ヤンガーズに入団すると、根本のためにトレーニングを学ぶなど、付ききりで教えてくれた。いつも夜は2人で練習。「上半身が先に開いたり、膝が割れるのはダメだよ。プレートの中で体を使いきりなさい」。兄と二人三脚で歩み、中3で最速140キロを計測。今春の関東大会後には「軸足に体重がのっていない。右かかとと母指球に体重をかけろ」とアドバイス。5月下旬の練習試合では完全試合まであと1人という快投も見せた。力を秘めた2年生。兄と歩んできた野球の集大成は甲子園のマウンドだ。【保坂淑子】